よくわかる!自動車保険を選ぶ際の注意点


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保険を使うか自費にするかの判断

等級ダウン事故の図

自動車保険を使うと(ノンフリート)等級が下がって保険料が上がることはよく知られていることですが、他の大きなマイナスのことは知られていません。

通販保険(ダイレクト)では、保険を2回使うと次回の更新を拒否されることが多いです。推測ですが安い保険料で普通の保険を提供するには事故リスクの大きい人を排除しなければやっていけないのだろうと思います。

更新拒否の図

また、1等級になってしまうと次回の更新を拒否されたり、拒否まで行かなくても補償内容の制限や免責金額を設定されたりすることがあります。やはり、1等級になると事故を起こす可能性がきわめて高いとみなされるでしょう。そのような困ったことにならないように、算盤をはじいて保険を使うか使わないかの判断をすることが大切です。

1.自動車保険を使わずに自費で払った方が得な場合もあります。

どっちが大事かの図

少しぶつけた事故で相手の方へ修理代など10万円を保険会社に支払ってもらった事故のケースで説明します。

データ
使用した保険:対物賠償保険
保険事故の種類:3等級ダウン事故
賠償金額:10万円
現在の等級:18等級と仮定
現在の保険料:5万円と仮定
保険料の上昇分:9万7千円
(注)上昇分は4年分のみ計算
(注)概算の計算です。

相手への修理代等の賠償金は、保険で支払ったので自分の出費はありません。自分の車は、ほとんど傷ついてないので修理していません。

次回更新時に3等級ダウンして事故有係数適用期間が3年間です。元の等級に戻るまでの保険料の上昇分は、9万7千円となりました。(上昇分の計算は、概算で保険料差額シミュレーションで出来ます。実際に事故を起こしたときは、保険会社で計算してもらえます。)保険を使った方が3千円得した形になりました。一旦、20等級から17等級の落ちますが4年後には20等級に戻ります。

しかし、この事故の翌年にまた事故を起こした場合を想定すると、等級は17等級から3等級ダウンして14等級になり、事故有係数適用期間は3年間積算され6年間になります。保険料が更に上昇するのも痛いですが、通販保険で2回事故を起こすと次回更新を拒否される確率が上がります。

保険を使ってもたいして得にならないなら、保険を使わずに自費で賠償金を支払い保険は温存しといて大きい事故のためにとっておいた方がいいかもしれません。

2.等級ダウンの仕組み

(1)等級がダウンする保険事故の種類

等級ダウンになる保険事故の対象は、次のリストの通りです。たとえ1万円の保険金の事故でもノーカウント事故・1等級ダウン事故以外の事故は、すべて3等級ダウン事故になります。

  1. 3等級ダウン事故

    ノーカウント事故・1等級ダウン事故以外の事故すべてが対象です。次の保険金支払いの事故が対象です。

    • 対人賠償保険
    • 対物賠償保険
    • 自損事故傷害保険
    • 車両保険
  2. 1等級ダウン事故

    1等級ダウン事故は、自分に責任のない防ぎきれないような事故が対象となっています。

    • 火災・爆発(飛来中もしくは落下中の物以外の他物との衝突・接触、転覆・墜落によって生じた火災・爆発を除く。)
    • 盗難
    • 騒じょう・労働争議にともなう暴力行為・破壊行為
    • 台風、たつ巻、洪水、高潮
    • 落書き、いたずら(ご契約の車の運行による、他の自動車等との衝突・接触によるものを除く。)
    • 窓ガラス破損(飛来中もしくは落下中の物以外の他物との衝突・接触、転覆・墜落によって生じた窓ガラス破損を除く。)
    • 飛来中または落下中の他物との衝突
  3. ノーカウント事故

    次の保険金のみ支払いの事故が対象です。ノーカウント事故同士の組み合わせも対象です。

    • 人身傷害保険
    • 搭乗者傷害保険
    • 無保険車傷害保険
    • ファミリーバイク特約
    • ファミリー傷害特約
    • 弁護士費用補償特約

(2)事故有係数を適用する期間

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ノンフリート等級のダウンと同時に割引率・割増率が事故有係数に移行します。事故有係数が適用される期間は、1等級ダウン事故は1年、3等級ダウン事故は3年です。事故有係数が適用されている期間中に再度保険事故を起こすと期間が上乗せされ最高6年間まで延長します。

3.保険を使うか使わないかの判断

自動車保険は、万一のために必要不可欠の存在に変りはありません。被害者のためと自分のために必要な補償を十分に付けることも変りありません。大きな事故を起こしてしまったら賠償金の支払いは保険だけが頼りです。

けれども、今回の等級制度の改正で、小さな物損事故での保険が使いにくくなるのは事実です。保険を使わず自費で払った方がトータルでの出費が少ないですよという場面が増えます。自動車保険というものは、大きな事故を想定して入るもので、小さい事故は貯金で対応しなさいといっているように思えて仕方ありませんが、実際そういうことなんですね。

3等級ダウン事故で保険を使うと保険料がグッと上がるという仕組みと、2回続けて保険を使うと通販保険では更新がむずかしくなる事を忘れてはいけません。ただし、事故の内容などにより保険会社の判断も変ってくるでしょうから自分だけでの思い込みで保険の利用・未利用を判断してはいけません。事故を起こしたらとりあえず、損保会社に事故報告をし色々と動いてもらった上で保険を使った場合と使わなかった場合の金銭の損得勘定と更新に与える影響は聞いておくべきです。それでしか保険を使うか使わないかの判断は出来ませんから。