よくわかる!自動車保険を選ぶ際の注意点


Home  > 自動車保険の種類  > 人身障害保険

この見出しのイメージ図

人身障害保険

1.人身障害保険とは

自動車事故で傷害(ケガ・後遺障害・死亡)を負った場合に支払われる保険です。
保険金は、実際の損害額分が支払われますが、契約した保険金額が限度になります。

なお、損害賠償義務者(加害者)がいる場合には、そちらから支払われる自賠責保険・対人賠償保険などの保険金額分が差し引かれます。また、一般タイプの他にご契約の車(被保険自動車)に搭乗中のみに補償を限定する特約もあります。補償範囲が狭まった分の保険料が安くなります。

損害賠償保険ではないので過失割合での相殺はされません。過失相殺された損害賠償保険の目減り分が補填されて損害額がきっちり満額出るイメージです。イメージは、次のような図になります。

a.相手車のある事故、過失割合4対6(自分対相手)の場合
支払いの説明図

b.相手方のいない事故の場合
支払いの説明図

(1)補償される人(一般タイプの場合)

  • 被保険自動車(ご契約の自動車)の搭乗者全員が補償されます。(被保険者に含まない者を除く)
  • 被保険自動車以外の他の車に搭乗中の場合では、記名被保険者・配偶者・同居の親族・別居の未婚の子が補償されます。(被保険車に搭乗中のみ補償を選択した場合は適用外です。)
    また、保険会社によっては、それらの人が運転している場合の搭乗者も補償される場合があります。
  • 歩行中などの自動車事故では、記名被保険者・配偶者・同居の親族・別居の未婚の子が補償されます。(被保険車に搭乗中のみ補償を選択した場合は適用外です。)

(2)補償される人(搭乗中のみ補償タイプの場合)

  • 被保険自動車(ご契約の自動車)の搭乗者全員が補償されます。(被保険者に含まない者を除く)

2.何のために必要か

被保険者の傷害(けが・後遺傷害・死亡)を過失割合に関わらず損害額満額での補償を得るために必要です。ただし、契約した保険金額が上限になります。

事故の相手方から損害賠償が取れないケースで大いに有効な手段となる保険です。具体的には、そもそも相手方のいない自損事故や相手が逃げてしまった当て逃げ、相手がいたとしても100パーセント自分が悪いため賠償されない事故などです。ほかにも、相手が無保険車だったために十分な賠償金を支払ってもらえない場合や自分の過失割合が大きくて賠償金が少い場合も実際の損害額分の補償がされる人身賠償保険は有効です。くどいようですが、人身傷害保険契約の保険金額が上限です。

3.契約する保険金額の考え方

自損事故で重篤な後遺障害になったり死亡したりすることもありますから、相応の金額の備えが必要です。年齢や収入によって損害額は変わりますが重篤な後遺障害になった場合を考えると5千万円以上は欲しい所です。

4.保険金が支払われる場合

  • 日本国内で次に該当する急激かつ偶然な外来の事故で被保険者が傷害(ケガ・後遺症・死亡)を負った場合に保険金が支払われます。
    • 自動車(原付を含む)の運行に起因する事故

      一般タイプの場合は、自動車に乗車中の事故だけでなく歩行中などの自動車事故も対象になります。

    • 被保険自動車(原付を含む)の運行中の次の事故
      • 飛来中または落下中の他物との衝突
      • 火災または爆発
      • 自動車の落下

5.保険金が支払われない場合

  1. 被保険者の故意、重大な過失による損害の場合。
  2. 被保険者の無免許運転、酒酔い運転、麻薬等運転による損害の場合。
  3. 被保険者の無断借用中の損害の場合。
  4. 後遺障害を裏付ける医学的他覚所見のない場合。
  5. 自殺行為、犯罪行為、闘争行為による損害の場合。
  6. 保険金受取人の故意、重大な過失による損害の場合は、その者への支払いはありません。
  7. 戦争、暴動、地震、噴火、津波、核燃料物質等による損害の場合。
  8. 競技、曲技、試験使用の場合。
  9. 被保険自動車に危険物を業務として積載すること、または、危険物を業務として積載した自動車を牽引することにより生じた損害。
  10. 被保険者の使用者(雇主)所有の自動車に、使用者の業務で被保険者が搭乗している場合。
  11. 他の自動車で、次の者が所有または常時使用する自動車に搭乗中の損害。
    1. 記名被保険者
    2. 記名被保険者の配偶者
    3. 同居の親族、別居の未婚の子

6.人身傷害保険で支払われる保険金

1回の人身傷害事故につき被保険者1名ごとに支払われる保険金額は次の算式による金額が契約金額を限度に支払われます。

保険金=損害額+費用−他から支払われる保険金等

6−1 人身傷害保険の対象となる損害

傷害
  1. 積極損害

    救助費・治療費等
    (ほぼ実費)

  2. 休業損害

    受傷による収入源少額
    (実際の収入または1日当り5,700円×休業日数)

  3. 精神的損害

    (入院8,400円/1日・通院が4,200円/1日×日数

  4. その他
後遺障害
  1. 遺失利益

    現実の収入か年齢別平均給与額×労働能力喪失率×労働喪失期間に対するライプニッツ係数
    (計算例.45歳男性、1等級の後遺障害の場合 概ね7,600万円)

  2. 精神的損害

    後遺障害の等級別規定額
    (例.1等級の後遺障害の場合 2000万円)

  3. 将来の介護料

    年間介護料×介護期間に対応するライプニッツ係数
    (例.45歳男性、1等級の後遺障害の場合 2500万円)

  4. その他
死亡
  1. 葬儀費

    60万円から100万円

  2. 遺失利益

    (現実の収入か年齢別平均給与額−生活費)×就労可能年数に対するライプニッツ係数
    (計算例.45歳男性の場合 概ね5,000万円)

  3. 精神的損害

    被保険者が一家の支柱である場合は2,000万円、65歳以上である場合は1,500万円、その他は1,600万円

  4. その他

実際のところ、治療費は、健康保険で1か月にかかる上限負担金が決まっていることや民間の医療保険にも加入していればそうそう困ることにはなりそうもありません。休業損害は収入の大小にもよると思いますがあれば助かる保険金だと思います。

重篤な後遺障害1級になってしまったら死亡時の損害額よりも大きくなり上述例示の場合で1億2千万あまりにもなります。死亡した場合は、7千万あまりです。

ちゃんとライフプランニングして必要保障額の生命保険に加入していれば、人身傷害保険の必要性はたいしてないとも思えますが、後遺障害が残った場合の補償は生命保険ではあまりまかなえそうにないです。

同乗者の補償を考えると人身障害保険で相応の保険金をかけるのが良さそうです。人身傷害保険の保険料は、生命保険と比べればそう高くはありません。自動車保険料の安い保険会社なら十分な補償が確保できそうです。


人身障害補償保険の重要な用語


被保険者

保険の補償を受ける人、または保険の対象になる次の人をいいます。

  1. 記名被保険者

    保険証券の記名被保険者欄に記載される人で、契約者、その配偶者またはこれらの同居の親族等の内、保険の対象となる車(被保険自動車)を主に運転する人です。

  2. 記名被保険者の配偶者(内縁を含みます)
  3. 記名被保険者または配偶者の同居の親族、別居の未婚の子
  4. 被保険自動車(契約した自動車)に搭乗する1,2,3以外の者
次のものは被保険者に含まない
極めて異常かつ危険な方法で搭乗中の者
業務として被保険車を受託している自動車取扱い業者

他の車

自家用自動車5~8車種(保険会社により異なります。)の被保険自動車以外の車。ただし、次の人が所有または常時使用する車を含まない。

  1. 記名被保険者
  2. 記名被保険者の配偶者
  3. 記名被保険者または配偶者の同居の親族、別居の未婚の子

上から5番目までが自家用5車種、7番目までが7車種、8番目までが8車種と呼ばれます。保険会社により他社に含める車種が何車種までか違うので、人の車に乗る前に要チェックです。

  1. 自家用普通乗用車
  2. 自家用小型乗用車
  3. 自家用軽四輪乗用車
  4. 自家用小型貨物車
  5. 自家用軽四輪貨物車
  6. 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
  7. 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
  8. 特殊用途自動車(キャンピング車)